子供部屋の今後を考える

子供部屋の問題について実際の資料をもとに考えてきました。最後に子供部屋に関係した今後の問題に少しふれておきます。・受験競争の激化が歪めた子供部屋まず子供部屋に対する考え方、とくに親の考え方について述べておきます。はじめに子供部屋の普及率の高さにふれましたが、これほど子供部屋が普及した理由はなんでしようか。外山によれば住宅需要の中で子供部屋が注目されるようになったのは一九七○年前後のことだといいます。したがって、その普及を考えるにあたってはこの一九七○年前後の我が国の子供をめぐる状況を考えることから始めてみましょう。子供部屋が普及しはじめた一九七○年代は実は戦後の第一次ベビープームに生まれた子供たちが高校に進む時期にあたります。しかもこのころ、子供の高校進学率は八○%にまでなっています。大学.短大などの高等教育機関への進学率もそのころの一○年間で二○%から四○%に上がっています。したがって、まさに有名校への受験競争が激化した時期ということができるでしょう。←こちらのサイトからたくさんの間取りや構造などを見られます。同時に、この時期はその前の高度経済成長の恩恵が大多数の国民に広がり、さまざまな問題点を内包しながらも国民生活が以前とは比べものにならないほどの豊かさで均質化した時期に当たります。このような背景が親に「勉強のための静かな場所を子供に与えよう」という気持ちにさせたとしてもそれは当然のことでしょう。実際、親が子供部屋を与える最大の理由は「落ちついて勉強させたい」と「自主性を養う」の二つですが、前者の理由の方が強く、しかも低年齢でそれが顕著であることを先の調査は教えてくれます。つまり、子供部屋の急速な普及の背景には受験競争の激化への対応ということがあったのです。

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